神社仏閣巡りと共に、冬に行っている佐渡の伝統工芸や民芸をめぐる旅。

今回訪れたのは、こちら。

さきおり工房 加藤

さきおり工房加藤1

裂き織の機には2種類あり、椅子に座って織る「高機(たちばた)」と、機の上に座布団を敷いて腰を落とし、ベルトで縛りながら手足をつかって織る「ねまり機(ねまりばた)」にわかれます。

※佐渡の方言で、座ることをねまるといいます。

さきおり工房加藤6

さきおり工房加藤の裂き織は、ねまり機(ネマリバタ)という織り機を使い、木綿布や絹布などを裂いたものを横糸に一段毎に杼(ひ)でトントンと打ち込んで織るため、しっかりとした強い布ができます。

もともと、佐渡外海府に西日本から伝わったおり機と製法で、海や山で働く人々の仕事着として生まれたもので、布が貴重だった時代に何度も何度も繰り返し織り込み、ボロボロになるまで使用したそうで、モノを大切に使うというエコの精神を今にも伝えています。

このねまり機は、昭和51年に『佐渡海府の紡織用具五四二点』として国の重要有形民俗文化財に指定されています。

裂き織との出会いについて、『家の蔵の中でみつけた織り機や道具、大量の木綿糸や絹糸、繭玉やまゆなどを見つけ、ご先祖さまとのつながりを時を超えて感じた。』と語る加藤さん。

さきおり工房加藤4

縦糸をくくるこの用具も、ご先祖さまが大切に使っていたもの。今でも手入れをして使っているのよ。と微笑まれていました。

工房には民芸品である小物と、芸術品になったタペストリーが融合しています。

小さなポーチや名刺入れなど小物は1000円台から購入できます。
オリジナルのバッグインバッグも実用的で素敵でした。

小物といってもこの裂き織は、大きな織布をはさみで切ってサイズをあわせることはしないので、寸法に合わせて小さく織り込んだ織布を何点か用意し、描いた形に縫い上げていくので、非常に手間がかかります。

同じ裂き織製品でも、大きく織った布を裁断・裁縫する製品もありますが、さきおり工房加藤ではねまり機の伝統を守り、はさみをいれることはタブーとしてひとつひとつ丁寧に作品作りを行っています。

さきおり工房加藤3

もともとの布の性質を活かした作品をつくるようで、羽織(絹)を裂いて作った袱紗も見せていただきました。 絹を使った方がいい製品、木綿を使った方がいい製品などその糸の性質を見極めて小物づくりも行っています。

さきおり工房加藤5

さきおりは、色遊び と語る加藤さん。

『やっているうちにね、布が語り掛けてくるのよ。』

素材や色がことなる布を出来上がりを想像しながら選ぶのも楽しみの一つ。

さきおり工房加藤7

さきおりに使うのは、絹や木綿だけでなく、シナ・苧麻・麻などの自然素材も使用します。

こちらは、苧麻で作られた作品。優しい風合い。

さきおり工房加藤

今回は時間がなくて見学だけでしたが、近いうちに時間をつくって体験に訪れたいと思います。

『3時間2400円だけどね、楽しくてはまっちゃった~なんていうときは時間延長してもらってもいいのよ。追加料金なんていただかない。裂き織を知ってほしいし、布に向き合っていただきたいから。逆にね、30分だけ、ちょっと体験した気分を味わいたい!というのはダメなのよ。さきおりは深いから、ちゃんと向き合ってほしい。』

と語る加藤さんに、すっかりファンになりました。 また、お邪魔します。

さきおり工房加藤2


さきおり工房加藤

所在地:新潟県佐渡市上横山980‐1
電話:0259‐23‐5366
営業時間:10時~18時
バスでの行き方:新潟交通佐渡相川行き(両津港発)横山西下車
料金:3時間2400円(作品作りに熱中して3時間を超える場合も料金UPなしで対応可能)
小学生団体の場合、割引料金あり
http://sado-sakiori.jp/



。:*:★。:*:★━━━━━━ 各種問い合わせ先 ━━━━━━★:*:。★:*:。

【佐渡について】
佐渡観光協会(両津港ターミナル駅内) TEL 0259-27-5000 
佐渡汽船(総合案内・新潟) TEL 025-245-1234 
新潟交通佐渡 TEL 0259-57-2121
(佐渡での路線バス・定期観光バス・観光タクシー)

【佐渡に行くまで】
JR東日本 JR東日本お問合せセンター TEL 050-2016-1600
新潟交通 問い合わせ先
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 ・バスセンター案内所 TEL 025-246-6333

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