周辺に紫陽花の咲く石造りの鳥居を抜け、竹林に囲まれた参道を歩いています。

牛尾神社７

恋い焦がれた人に逢いに行くような・・・そんな高揚感を抱えながら、爽やかな竹林と力強く出始めた筍を眺めて緩やかな坂をのぼると。

牛尾神社８

木漏れ日の間から、美しい社殿と能舞台が　“突然”　現れました。

木漏れ日と美しい彫刻が施された社殿・能舞台の松が重なり、幻想的な世界を作り出していました。
坂道をのぼってきたための息切れとは明らかに違うため息（感嘆）をつき、しばしその場に立ち尽くしていました。

牛尾神社５

恋い焦がれた人に会いに行くような高揚感は、これだったのかと。

“突然”の出会い方にも衝撃を受けました。
今回は裏門から上がってきたようなので、表門から入ってきた場合の感じ方はまた違うのかもしれません。

私のつたない写真と文章では、この感動を伝えきれませんので佐渡の写真家がつづった牛尾神社をまず、ご覧いただけたらと思います。

■伊藤屋旅館　薪能の古い歴史を持つ牛尾神社の能舞台と安産杉と拝殿の彫刻は見応えあり
■佐渡の四季＋α　牛尾神社

この美しい能舞台は、大人の女性誌HERS9月号(2014年)にも紹介されており、すぐにでも行きたいと思っていた場所でしたが、それから9か月も経ってしまっていました。


社殿の柱にはお百度参りにつかう札でしょうか？　50の木札が備えられていました。
人々の想いを受け止めた、歴史を感じます。

牛尾神社４

国仲四所の御能場といわれる由緒ある能舞台
牛尾神社17

佐渡観光協会　文化と芸術　能より
佐渡は「鶯や十戸の村の能舞台」と詠まれたほど能の盛んなところ。かつて農家の人たちが畑仕事で謡曲を口ずさんだほどで、能がこれほど庶民の生活の中に浸透しているところは全国でも珍しいといえます。このことは、能の大成者・世阿弥が佐渡に配流されたことと、能楽師の出身の佐渡奉行・大久保石見守長安が能楽を奨励したことがおおきく影響しています。初めは奉行所の役人たちの教養として取り入れられた能でしたが、次第に神社に奉納する神事として発展していきます。このことは現在30以上（かつては200以上）ある能舞台の大部分が、神社の拝殿を兼ねたものや付属したものであることからもうかがえます。例えば、由緒を誇る「国仲四所の御能場」といわれる大膳神社・牛尾神社・加茂神社・若一王子神社もすべて神社です。さらに、本間家初代の秀信が宝生座を開き、島内各地に門下生を得るようになると、次第に庶民たちの間にも浸透していきました。この宝生座が村々の神社に能を奉納、徳川中期以降、佐渡民間能楽の宗家として影響を及ぼしていきました。本間家は現在18代目、今も佐渡宝生流の家元として伝統を守り続けています。佐渡では毎年4月の演能をかわきりに、10月まで各地の能舞台でその幽玄の世界を楽しむことができます。

牛尾神社18

野村蘭作先生（無形文化財保持者）の碑
牛尾神社21

牛尾神社　新潟県指定文化財　能舞台
牛尾神社20

次は能舞台の季節に、牛尾神社を訪れたいと思います。


牛尾神社　能舞台
所在地：新潟県佐渡市新穂潟上2529
薪能：6月12・13日



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