史跡の町、真野には「恋が浦」という素敵な名前の地名があります。

“恋”とつくと男女の恋愛をイメージしますが、こちらの恋は上皇の都恋しさの名残なのでしょうか、それとも家族や地域への深い想いなのでしょうか。

佐渡真野

順徳上皇ゆかりの碑 恋ケ浦碑 (説明碑より)

いざさらば 磯打つ波にこと問はむ 隠岐のかなたには何事かある
順徳上皇は承久3年(1221年)承久の変で佐渡の国に御遷幸なされた。天性至考の上皇は父帝後鳥羽上皇の配流地隠岐の島の方を眺められてこの和歌を詠まれた。このことを後世に伝えるため恋ケ浦碑を建てた明治期の豊田の人々の敬上愛君の情を撰者円山溟北は褒めている。

東宮殿下御上陸記念碑
昭和天皇は東宮殿下で在らせられた大正5年(1916年)軍艦生駒で真野湾に御入港し順徳上皇御着船地の恋ケ浦に御上陸遊ばされ順徳上皇火葬塚と真野宮に御参拝された。先皇御道孝の行啓は佐渡島民に深い感銘を与えた。碑分は随行の元師海軍大将伯爵東郷平八郎の揮
である。
 

順徳上皇の稗粥物語碑
順徳上皇に豊田の人が温かい稗の粥を献上したところ即座に詠まれた和歌稗の粥は上皇と豊田の人々との暖かい心の交流を今に伝えている。

順徳上皇ゆかりの碑群は小河内川の河口の辺にあったが真野漁港道路整備のためこの地に移した。

平成20年5月吉日 豊田区建 諏訪神社宮司豊原久夫撰書
 
順徳上皇の稗粥物語碑
佐渡真野1恋が浦碑
「これほどに身の温まる草の実を ひえの粥とは誰かいふらむ」

佐渡観光協会HPより、恋ケ浦の説明抜粋

「佐渡は、越後からみれば波の上にある。」

司馬遼太郎の長編小説「胡蝶の夢」(1979年 新潮社)は、この書き出しで始まります。幕末から明治にかけて、封建社会の中で近代医学の導入に情熱を燃やした若者たちの群像劇。その中でひときわ異彩を放つのが、佐渡出身の島倉伊之助(1840-1879 後の司馬凌海)です。

驚異的な記憶力の持ち主だった伊之助は、祖父から漢学の素養を授かり、わずか11歳で江戸へ出て幕医松本良順に弟子入りします。そして良順の生家、千葉の順天堂で学び、良順に従い長崎でポンペに師事。ここは当時の日本において医学の最先端でしたが、伊之助は医学ではなく語学に才能を発揮し、オランダ語、ドイツ語、中国語、英語、ロシア語を次々とマスターしていきました。後に日本初のドイツ語辞書を編纂し、医学薬学に関する海外の知識を紹介する著書を書いた伊之助は、新しい知識を渇望していた当時の日本にとって、欠くことのできない人物でした。

新町では旅立つ人があると、その朝、暗いうちから見送りの親類縁者や近所のひとびとがこの野にあつまり、重箱に煮しめなどを詰め、酒などを持ち寄り、別れを惜しむ。いかにも詩歌の名所らしく、心優しい風習といっていい。

 

司馬遼太郎は、伊之助が旅立つ場面をこのように書いています。場所は「恋が浦」。胡蝶の夢第一章のタイトルにもなっているこの地は、司馬凌海生家から歩いて5分ほど、真野川の河口の浜を指します。伊之助は、恋が浦で別れの宴を終えると、小木の宿根木港から越後の寺泊へ。そして江戸へ向かいました。

佐渡は幕府が金山を開発し、それを資金源としたため江戸時代を通じて一国天領でした。数年で交代する佐渡奉行(幕府の官僚職)が権力の頂点で、殿様はおらず武士階級が少数だったため、島には他と比べて自尊自立、自由な気風があったといわれています。また、江戸時代の海上交通は太平洋側ではなく日本海側が幹線となっていて、佐渡には各国からの船が出入りしていました。司馬遼太郎が「越後ではなく京の隣」と評したように、佐渡には京都はもちろん西日本の文化が多く入っています。


恋ケ浦

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 佐渡真野ふれあいガイド 



所在地:新潟県佐渡市豊田

MAP 碑の番地不明のため、すぐ近くのえんやCafeを示しています。


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